鹿児島の麦焼酎「花は霧島」ができるまで ~蔵人が製造方法をご紹介~

こんにちは!鹿児島県の自然豊かな霧島にあります霧島町蒸留所(代表銘柄は「明るい農村」)の蔵人、迫村です。鹿児島と言えば芋焼酎を想像する方が多いと思いますが、今回は私たちが造る麦焼酎「花は霧島」ができるまでを、ご紹介いたします。
1.麦麹造り
まずドラム(麦を洗い、蒸す機械)で行います。
この工程では、麦を300㎏使用し、霧島山系の自然のフィルターで磨かれた地下天然水で洗うと同時に、吸水をさせます。
そして蒸した後、「麹菌」を撒きます。麹菌の撒きが終わった後は三角棚(※上記写真 一定の温度、湿度が保てる機械)に入れ、麹菌の繁殖で麦のデンプンを分解、糖分に変えていきながら、2日かけて麦麹ができあがります。

2.一次仕込み

わたしたち「明るい農村」の蔵では、創業時から100年以上受け継がれてきた54本のかめ壺で仕込んでいます。
その伝統のかめ壺に地下水と酵母を入れ、麦麹を合わせ入れますと、麹の力によって分解された糖分を栄養源として酵母が増殖しながら、アルコールを生み出します。
このまま、かめ壺の中で6日間ほど発酵させます。
麦焼酎のモロミはふわふわと泡状に発酵し、この頃から製造場内は、甘く華やかな香りが広がるんですよ!
3.二次仕込み
かめ壺で発酵させた一次モロミを、かめ壺よりも大きなタンクに移し、さらに蒸した麦を600㎏投入します。
麹造りで麦を300㎏、二次仕込みでは600㎏の麦を入れるので、麦の総量は900㎏です!このまま14日間モロミの発酵が続きます。
※ちなみに、芋焼酎の場合はこの発酵期間が約8日です。麦だと2倍近い発酵期間になるのは、穀物である麦は、さつま芋よりもデンプンが多く含まれているためです。

4.蒸留

蒸留は、水とアルコールの沸点の違いを利用し、焼酎を取り出す方法です。
発酵が終わったモロミを蒸留機に移し、蒸気を入れてモロミを加熱、沸騰させると蒸気が出てきます。この蒸気を冷やすことで液体となった麦焼酎(原酒)が出来上がります。
私たち霧島町蒸留所では、昔ながらの「常圧蒸留」です。麦の香りや旨味をしっかりと引き出せる伝統の蒸留方法で、飲みごたえのある麦焼酎が誕生します。
5.熟成
出来上がった麦焼酎の原酒をホーロータンクに移し、1年以上かけて貯蔵・熟成させます。原酒ベースで貯蔵することで、荒々しい発酵ガスが抜けたり、麦焼酎の中のアルコールと水が混ざり合ったりすることで、まろやかな風味に変化していきます。
熟成が終わりましたら、地下天然水で25度に調整をして、できあがりです。
明るい農村では、麦焼酎「花は霧島」は、1年熟成と、3年熟成の2タイプをご用意していますよ!


終わりに
今回は、麦焼酎「花は霧島」ができるまでの工程をご紹介させて頂きました。
ロックや水割りの他、暑い時季には炭酸割りもおすすめです。わたしたちが心を込めて造りました、豊かな麦の香りとコクのある麦焼酎「花は霧島」を是非一度、ご賞味ください♪